様々なユーザーの利用特性
ここで、ユーザーがどのようにWebコンテンツを利用しているのか確認しておきましょう。
- 画面を見る
- マウスで操作する
- キーボードで入力する
- 音声を聞く
まず、真っ先に思い浮かぶのはこういうことでしょう。しかし、全てのユーザーがこのように利用しているわけではありません。そのことに気づき、いろいろなユーザーがいろいろな使い方をしているということを理解するのが、アクセシビリティを考える最初の一歩となります。
視覚障害を持つユーザーの場合
例えば、視覚障害には、大きく分けて全盲、弱視、色覚特性の3つがあり、前述の"音声を聞く"以外のところで以下のような利用特性があります。
まず、全盲のユーザーの場合:
- 音声ブラウザやスクリーンリーダーで読み上げて、ブラウザ画面の情報を音声で聞く
- 点字ピンディスプレイを使うこともある
- マウスを操作することはできない
- 操作・入力をキーボードのみで行う
次に弱視(ロービジョン)のユーザーの場合:
- 画面を拡大していることが多い
- 白黒反転させていることもある
- 音声ブラウザやスクリーンリーダーを併用している場合もある
- ほとんどの操作/入力をキーボードで行う
- マウスを使う場合は、マウスカーソルを拡大していることが多い
そして、色覚に特性のあるユーザーの場合:
- 画面を見ることはできるが、特定の色が識別できない
- マウスとキーボードの両方を使う
Webコンテンツが、ユーザーは画面を見てマウスで操作するということを前提に制作されていると問題が起こりうることがお分かりいただけるでしょう。そして、実際にそのようなWebコンテンツがほとんどなのが現状なのです。
聴覚障害を持つユーザーの場合
次に、聴覚障害の場合は、前述の"音声を聞く"ことができないか、できても聞こえにくいという特性があります。
- 音声を聞くことが出来ないため、視覚のみで情報を得る
- 画面を見たり、マウスやキーボードを操作することはできる
肢体不自由のユーザーの場合
そして、肢体不自由で手や指先がフルに使えない場合は、以下のような特性があることを頭に入れておいてください。
- 程度によってはマウスが使える
(ただし、特殊な補助装置を使用したりするので、細かなマウスカーソルの操作はできない) - 特殊な入力装置を使うことが多い
(仕組みとして、普通のキーボードで操作可能であればこれらでも操作が可能だと考えてよい)
認知障害、学習障害などのユーザーの場合
さらに、認知障害や学習障害といった障害もあり、非常に個人差があるため一概には言えませんが、例えば以下のような特性があります。
- 文字だけだとその内容を十分に理解できない
- 操作方法をなかなか学習できない
高齢者ユーザーの場合
高齢者の場合には、加齢とともに身体機能が衰えてくるので、"画面を見る"、"マウスで操作する"、"音声を聞く"というところに困難が生じてきます。これらの点は、前述の各障害に配慮していれば概ね大丈夫だと考えてよいでしょう。その他、高齢者特有の特性として、外国語や難しい言葉を理解しにくかったり、操作方法を覚えにくかったり、記憶力が衰えていたり、といったことがあります。そういった意味では、認知障害や学習障害のユーザーと同様に分かりやすさへの配慮が必要であり、ユーザビリティ的要素が強い面があるとも言えるかもしれません。
近年のインターネットの普及には目覚ましいものがあります。総務省が毎年行っている『 通信利用動向調査』によれば、平成17年末の日本のインターネット人口は推計8,529万人で、人口普及率では66.8%となっています。そして、年齢層別の利用率を見ると、50~59歳が75.3%(前年65.8%)、60~64歳が55.2%(前年49.0%)、65歳以上が42.0%(前年27.3%)と着実に伸びてきているのが分かります。50代では4人に3人以上、60代前半では2人に1人以上がインターネットを利用しているという計算になるのです。
