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新時代の見出しとキャッチコピーの書き方
-益子 貴寛の『Webライティングの理論と実践』 第2回

Web上で魅力的な文章やキャッチコピーを書くためのライティングメソッド「Webライティング」。ユーザーをコンテンツに引きつけるには、魅力的でわかりやすい「見出し」や「キャッチコピー」が大切。今回は見出しとキャッチコピーの基本、さらに検索・RSS時代に求められる表現方法について考えてみよう。

Webは見出しで決まる

ロボット型検索エンジンの発達・普及により、ユーザーは必ずしもトップページからブラウジングするわけではない。Webサイトは検索エンジンによって、いわば分断されているのである。したがって、ページ単位で内容がわかるようなタイトルをつけるのが大原則だ。

また、ページタイトルと同じキーワードが見出し要素(h1~h6要素)など本文中で使われていれば、検索アルゴリズム上でキーワードとの適合度が高いと判断され、そのページが上位にリストされる可能性が高くなるというSEO上のメリットを意識することも大切である。

それでは以下、見出しをつける際の具体的なポイントを説明しよう。

体言止めが基本
たとえば「インターネットの活用法を説明しています」というタイトルがおかしいのは一見してわかるだろう。この場合、「インターネット活用法」や「インターネット活用術」と体言止めにしたほうがよい。冗長なタイトルは体言止めによってコンパクトにするのが基本である。
単語だけではわかりにくい
たとえば「ブロードバンド」というタイトルだけでは、ブロードバンドという用語を説明しているのか、各社の価格や性能を比較しているのかわからない。用語や概念の説明であれば「ブロードバンドとは」や「ブロードバンドについて」、比較情報であれば「ブロードバンド徹底比較」や「ブロードバンド性能比較」としたほうがよい。
興味を引くキーワードを含める
たとえば、「インテリアデザインの注意点」というタイトルは、「インテリアデザインの落とし穴」や「インテリアデザインNG集」としたほうがユーザーの興味を引くだろう。少し凝ったタイトルのほうが趣向や新鮮さを感じさせる、ということである。ただし、あまり凝りすぎるとSEO上不利になるので注意しよう。「インテリアデザイン」と「落とし穴」(または「NG集」)の組み合わせで検索するユーザーよりも、「インテリアデザイン」と「注意点」の組み合わせで検索するユーザーのほうが多いと考えられるからである。凝ったタイトルにする場合は、meta要素の説明文やキーワードに類義語を含めるようにしよう。
「第1回、第2回...」、「第1章、第2章...」だけでは具体性がない
連載型コンテンツやレポート形式のコンテンツでは、タイトルを「第1回、第2回...」や「第1章、第2章...」とだけ書いたのでは具体性がなく、一見してどのような内容が書かれているのかわからない。「第1回 陶芸をはじめる前に」「第2回 陶芸に必要な道具」といったように、具体的なタイトルにしよう。

キャッチコピーは「順列・組み合わせ」の工夫で

キャッチコピーは、「短く、わかりやすく」が基本である。冗長さや意味不明瞭さを逆手にとる方法もあるが、日常的に考えるキャッチコピーではやはりセオリーが大切である。加えて、いかにリズム感を出すかも重要だ。日本語には五七調や七五調、七七調のリズムがよくマッチすることをまず覚えておくとよい。

目的や内容、性質によって、どの点を強調するか、前につけるか後につけるかなどは異なるが、キャッチコピーをつける際の強調ポイントとキーフレーズを整理すると次のようになる。強調ポイントを踏まえてキーフレーズを「順列・組み合わせ」的に使うことが、労力が少なく、かつ、効果的なキャッチコピーを量産するコツである。

強調ポイント キーフレーズ
充実度や網羅性 すべて~、何でも~、~が満載、~を網羅、総合~、完全~ 欲しいワインが何でも買えるオンラインショップ
わかりやすさや使いやすさ 簡単~、~をわかりやすく、短時間で~ 簡単&即効、ちょっとおしゃれな夕食レシピ
短時間で学べるインテリアコーディネート術
専門性や先進性 詳しい~、ほかにはない~、最新~、厳選~、一歩進んだ~ 厳選!カクテルの美味しいお店
一歩進んだインターネット活用ガイド
親近感 あなたの~、~をあなたに、~を提案 あなたのスキルを資格に
新しい内装スタイルを提案
信頼感や安心感 安心の~、安全の~、信頼の~、頼りになる~、実績のある~、~で評判 忙しいビジネスマンの頼りになるホテルガイド
役立つ ~に役立つ、便利な~、実用的な~ 実用的な工具・器具をネットで販売
意欲の鼓舞 本気で~、絶対~、~を応援、はじめよう~ 本気でウェブデザイナーを目指している人を応援
はじめよう!身近な法律のお勉強
雰囲気や香り、風味 新鮮~、~にマッチする、フルーティーな フレンチやイタリアンにもマッチするフルーティーな日本酒
打ち明け話、逆を張る 実は~、本当は~、~なんて 実は○○って知っていました?
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このようにキャッチコピーを「順列・組み合わせ」でとらえる発想は、リスティング広告(Google Adwords、Overtureスポンサード・サーチなど)にも活かすことができる。たとえば大企業が出稿するリスティング広告では、10万単位、多いところでは100万単位のキーワードを設定し、データベースで管理しているが、これはまさに「順列・組み合わせ」の発想をもとに自動処理を行なっているということである。

RSS時代に求められる見出しとは

最後に、RSS時代にはどのような見出しが求められるか考えてみよう。RSSリーダーにはデスクトップ型やWebアプリケーション型、そのなかでもティッカー型などさまざまなタイプがあるが、概して記事見出しの表示領域は狭い【1】。つまり、長すぎる見出しは途中で切られてしまうので、キーワードをはじめのほうに含めておかないとユーザーがピックアップしてくれない可能性が高いのである。


デスクトップ型「Headline-Reader」の記事見出し表示


Webアプリケーション型「goo RSSリーダー」の記事見出し表示

このスクリーンショットを見ても分かるように、長すぎる見出しは途中で切られてしまうので、キーワードははじめのほうに含めておいたほうがよい

RSSリーダーを使い慣れてくると、わざわざWebページにアクセスせずにRSSだけを読む人も少なくない。RSSリーダーでは記事内容がマークアップに基づいてシンプルに表示されるため、正しくマークアップされているかどうかが読みやすさに直結することになる。

また、RSSで配信する文字量を冒頭1パラグラフや50文字などに制限しているケースがよく見受けられるが、RSSだけで全文を読みたいユーザーもいることを考えればあまり望ましくないといえる。ただし、Webへのアクセスを促すためにあえてそのように設定するという戦略もありうるので、トータルバランスで考えよう。

また、RSSで配信する文字量を冒頭1パラグラフや50文字などに制限しているケースがよく見受けられるが、RSSだけで全文を読みたいユーザーもいることを考えればあまり望ましくないといえる。ただし、Webへのアクセスを促すためにあえてそのように設定するという戦略もありうるので、トータルバランスで考えよう。

このように、今後はRSSリーダーというブラウジング環境を考慮したうえで、見出しの中身を考えたり、マークアップや配信設定を工夫する必要があるだろう。

プロフィール

顔写真:益子貴寛氏

益子貴寛(ましこ たかひろ)
サイバーガーデン代表。1999年5月にWebリファレンス&リソース提供サイト「CYBER@GARDEN」を立ち上げる。一般企業に勤務しながらもWebデザイン誌での執筆やW3C仕様書の翻訳活動を続け、2003年5月に独立。Webサイトのプロデュース、Web制作会社のコンサルティングに従事するほか、講義・講演や執筆活動も活発に行っている。著書に『Web標準の教科書 ─ XHTMLとCSSで作る“正しい”Webサイト』、『伝わるWeb文章デザイン100の鉄則』 (ともに秀和システム)など。雑誌でも『月刊web creators』『WEB STRATEGY』(ともにMdN)でも好評連載中。

益子 貴寛の『Webライティングの理論と実践』

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